Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
腕組みをした幸村さんがマジマジと僕を見下ろして言う。
「俺はあんまし変わってねーと思うんだけどなー。」
「えー?そうですかぁ?以前はもっと固くて、もっと柔軟だっだと思うんですけど。」
久保塚君、固くて柔らかいって……一体、どんな人なんだか。
「んー。そう言われるとそうかもだけど、まぁ大体こんなカンジだろ。」
「まぁ大体こんなカンジですけどね。」
……大体って。
いい加減な人達ですね。
それからせっせと仕事をこなして終業が近づくにつれ無意識にもウキウキとしてくる。
まぁ幾ら仕事が好きとはいえ所詮仕事は仕事だし終わるのは単純に嬉しいけども、そうじゃなくて……
その時きぃっと扉が開いた。
「悠里さん。」
僕を見付けてニコリと笑顔を向ける人に、思わず動きが止まってしまった。
「………マエリ、さん。」
彼女は僕が身を呈して事故から助けた人。
どうやら僕の大切な人で………恋人らしい。
「もうお仕事が終わる頃じゃないかと思って来てみたんですの。この後御一緒に夕食でもと思って。」
「え……はぁ、えっと…」