Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「本当はどこへも逃げ出さないように縛りつけておきたいくらいですけど。…そうしない僕の気持ち分かって下さいね?」
―――裏切らないで下さいネ。
そんな声を聞いたような聞かないような。
☩ ☩ ☩
目が覚めたのはお昼を過ぎてから。
身体が…………辛いっ!!
昨晩久し振りに悠里を受け入れた身体は、アッチもコッチも油が切れて錆びたロボットのようにギシギシ。
ああ、それで人形になっちゃった夢なんてみたんだね……。
悠里の幸せの為に姉弟に戻ると決めたのに。
触れられたら私のやせ我慢なんて一溜まりも無い。
悠里と一緒に居たいの。
悠里の愛が全部欲しい。
不図、ベッドに投げだした腕を見て口元が緩む。
手首に付いた赤い痣。
悠里の名誉のために言わせてもらえば、断じて情事に乱暴な行為はなかった。
唯一、最初に押し倒された時に私が暴れたのを押さえたこの手首の痣くらいで。