Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

堪らず悠里を抱きしめた。

ああ…そうだった。

私は貴方のガラスの靴だもの。

貴方を幸せにするために必ず貴方の元へ帰らなきゃ。

そして悠里がシンデレラなら私は王子様にだってなる。

貴方の傍に居るために全力で戦うんだから。

お互いの存在を確かめ合うように強く強く抱きしめ合う。

ずっと貴方の傍にいるから離さないでね―――……















………と、このお話がキレイに終わる筈がない。




「か・ゆ―――――ぅい!」


私は絶叫を放って悠里を突き飛ばした。


「い、いたっ…。今ずっと傍にいるって言ったばかりなのに……」


非難めいた声を無視して私はがざごそ買い物袋の中を漁る。

あ。あった~♪

かゆみ止めのお薬を早速首に塗って、ほぅ~っと一息吐く。


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