Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
そんな私の挙動をじぃっと見詰めていた悠里が訪ねる。
「…あの、姉さん。つかぬ事をお伺い致しますが、それ虫刺され?」
「うん。昨日夜景見に行ったじゃない?虫が一杯居て刺されちゃったよ。」
ちょっと小高い丘の上まで登って汗ばんだのもイケナイ。
普通にしてればそれほどじゃないけど、身体が温まると途端に痒いの。
あんまり蚊とかに刺されても膨らまないんだけど、赤くなっちゃうんだ。
……昨日悠里が付けた病気紛いのキスマークに塗れて今は見た目では区別が付かないかもだけど。
悠里がぎゅうっと抱きついてきた。
「ホント、ゴメンナサイ。姉さん。」
へ?
それは何の謝罪?
痒み止めの常備薬を切らしていた事?私が蚊に刺された事?(←以前の悠里は『蚊といえども美久の肌に痕を残すとか言語道断!』と言ってお出かけの際にはしこたま防虫スプレーを吹きかけた)
「ヒトの也したオスの蚊に喰われたかと勘違いしちゃったな……」
………ん?