Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩side story☩05☩
☩ ☩ ☩
☩悪夢☩02☩
☩ ☩ ☩
所は『ASTRO』
「「「一体何があったんだ(ですか)」」」
試作室にてウンザリ吐き捨てる須藤、幸村、久保塚の三人。
出社から王子様はご機嫌斜めだった。
常識を弁えた大人であるためヤツ当たりするだとか喚き散らすだとかはないけども、重いオーラを撒き散らしているので、ともかく鬱陶しい。
我慢してほっといたのだが、午後になり周囲に限界が訪れた。
ピタリ、と作業の手を止めた悠里は、部屋の二酸化炭素濃度を二倍にしそうな深く重い溜息を吐いて項垂れた。
「……………実は姉さんが浮気を……」
「「「まさか。」」」
アリエナイと三人は取り合わない。
この過保護を普通の愛として受けとめる、ある意味少しずれたネーチャンが今更他の男に乗り換えるなどあるものか。
ついでに言えば、溺愛悠里であればネーチャンが他の男といるだけでも大袈裟に騒ぎ立てる可能性が濃厚過ぎて、簡単には飛びつく気になれない。
「…みなさん、僕が大袈裟に事を荒立ててると思ってますね?でも事実なんですよ。僕と言うものがありながら僕の目の前で男をハグしてちゅーして…………………」
手で顔を覆いぼそっと言った。
「夢の中の話ですけど。」
「「「夢かよっ!!!」」」
三人は思わず突っ込む。