Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
悠里はキッといつにない鋭い視線で三人を睨む。
「例え夢の中といえども僕にとっては見過ごせない事態です!!!姉さんは食事の世話からご機嫌取りから、とにかくその男にかまけて僕の事は後回しなんですよ!?」
酷過ぎる……っ、ととうとう机に突っ伏してしまった悠里に三人は顔を見合わせる。
まぁ、姉至上主義の悠里さんですからネ。
例え夢の中とはいえ彼にとっては耐え難い事態であろう。
「ま、まぁ、夢でヨカッタじゃないですかぁ。」
「だよな。しかしそうなるとその男が気になるな。どんな男だったよ。」
「……言いたくないですけど、イイ男でした。母性本能を擽りまくる可愛さまであって……………流石、僕と姉さんのDNAを受け継ぐだけあります。」
「「「…………………は?」」」
「だから僕と姉さんの子供です。夢の中で何故か姉さんは出産して一児のママになってて。」
言い差して、また怒りが再発したのか悠里が拳を震わせる。
「幾ら可愛いからって、姉さんってば、男の下着を剥ぎ取って汚れた男の股間をあんな優しい手つきで撫でまわすなんて…。それをあの0歳児は当然のような顔で喜びやがって…」
「その多分に誤解を生みそうな言い回しはヤメロ。」
赤ん坊のオムツを取ってケツをキレイにしてやっただけだろう。
寧ろ良い母親じゃないか。
「姉さんが~。僕の姉さんがぁ~。」
耐えかねたように悠里がわっ、と再び机に突っ伏す。
「明け方に見る夢は正夢とか言うし…現実になったらどうしようかと思って気が気じゃなくて……」
「「「いや…普通にメデタイ正夢として喜んどけば?」」」
「なんでっっっ!?」
三人の素気無い返事に悠里が絶叫したのは言うまでも無い。
☩side story☩05☩end☩