Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
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一日目。
「須藤さんっ。助けて下さいよーっっ」
試作室に入るなり涙目の久保塚に飛びつかれ須藤は遠い目をする。
デスクで試作に精を出す悠里からは
「みくみくみくみくみくみくみくみくみくみくみくみく」
読経のようなエンドレス。
「ずっと聞いてたら僕までオカシクなりそうですよぅ。」
「……安心しろ。俺は昨晩から聞いている。」
「ええっ!!」
美久が家を出発する時間になり本格的に着いて行くのを諦めたらしい頃から、始まった呟き…、否、呪文?呪詛?
暗闇の部屋に延々続く抑陽の無い声。
正体を知ってるから怖い訳じゃないが、たまに理不尽な苛立ちに駆られ、ともかく気が狂いそう。
「………まぁ、仕事はしてるんだし、我慢してくれ。」
「そんなぁっ!!」
須藤は泣きつく久保塚を哀れと思いつつすげなく振り払った。
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二日目。
「なぁ、柏木、今何の仕事してるんだ?」
営業部で顔を合わせた幸村が小首を傾げて須藤に訪ねた。