Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
ここの研修が後一週間足らずで終わってしまうコト。
もう、毎日会えなくなるけど、管轄マネだから以前と同じようにたまには会えるってコト。
で、二、三年後には本社へ転勤になって、本格的に会えなくなっちゃうコト。
…寂しいな。
しょぼんとする私に木戸さんは「あぁ、全く分かってナイ」と天を仰いだ。
「だーから。……本社行く時はオマエも一緒に来てくれる気は無いか?」
「………へ?」
それって引き抜きとか、そう言うの?
や、そもそも店員なんだから引き抜きとは言わないか…。
私の疑問を察したように木戸さんが「そーじゃなく…」と訂正を入れる。
「それを前提に俺と付き合ってくれって言ってんだけど。」
…………へ?
「一応プロポーズ……否、プロポーズはその時が来たらちゃんとする!!だけど、そういうつもりで…二、三年の手慰みに付き合うってんじゃなくて、その先もちゃんと考えて俺は言ってるからって事だぞ!?」
ちょっと慌てて、意気込んで…
少し顔が赤い木戸さんがカワイイなんて思っちゃったりして。
…て。
「ええええええええっ!!!」
確実に店頭に轟いたと思われる声で叫んで驚きのあまり椅子ごとひっくり返った。
「おぃっ!!」と木戸さんが焦って私を引き上げる。