Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
☩甘く永遠に腹黒に☩
☩side美久☩
窓から見える空はとても綺麗な青。
「とてもお綺麗ですよ。」
介添え人さんのそんな言葉に「有難うございます。」と満面の笑顔を戻す。
私は社交辞令も素直に受け取る派なのです。
今日は待ちに待った私と悠里の結婚式。
ずっと過保護な弟とばかり思っていた悠里からいきなりプロポーズされて、自分の気持ちに自覚した直後に結婚して同居し始めて……。
お付き合いしていた木戸さんには失礼な事をしてしまって。
それでも順風満帆な新婚生活と思いきや悠里は私に手を出してくれなくて不安になったり、実は結婚してないって知らされたり……。
久寿軒さんと言う強敵なライバルまで現れて。
誤解も解けて改めて心身ともに結ばれたと思った矢先、悠里が事故にあって記憶を失ってしまって。
一度は姉弟に戻ろうと決めたのに、やっぱり悠里と離れるなんて出来ずに、私なりに久寿軒さんと戦ってようやく取り戻した。
そしてようやく辿り着いた結婚式。
振り返るとホントに波乱万丈、紆余曲折。
で、でもっ終わりよければ全て良し!だもんね。
結婚式のスタイルは人前式ってやつで、神様ではなく参列者に永遠の愛を誓う。
指輪交換の代わりにみんなの前で婚姻届に署名して、式の後二人で提出しに行くんだ。
以前書いた婚姻届は未だに大事に取ってある。
あれを書いてから色々あったし、もう一度新たな気持ちで書きなおして提出しようって事になった。
提出したら正真正銘、悠里の奥さんになるんだね。