Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
職場の人だった。
いつも職場にいる人じゃなくて、統括管理者という地域内の各店舗のマネージメントをする人。
包容力のある大人でとても頼りになるし優しい。
私がミスした時もちゃんとフォローしてくれて、後で怒られた時はちょっと怖かったけど、でもその後『ガンバレ』って言ってくれた笑顔はステキだった。
今月はウチの店舗の販促月刊で、販売研修と称して臨時で販売に入ってくれていたから一緒にいられる時間がいつもよりずっと長かった。
その間食事に連れてってくれたり(他の社員の子もいたけど)
休憩中にジュース奢ってくれたりして。
表立って他の子より特別に贔屓されたとかじゃないけど、気持ち的には絶対特別だと思ってたのに……。
仕事帰り、他の女の子と歩いているのを見てしまった。
その子は同じ百貨店のブディックのテナントの子で。
彼は親密げに彼女の腰を引き寄せ、彼女もまた甘えるように彼にしなだれかかっていた。
次の日その子がウチのテナントにやって来て、これ見よがしにベタベタして行ったんだ。
それだけじゃない。
その後で従業員用のトイレで彼女が他の子と話しているのを聞いてしまったの。
『彼?…凄く優しかったわよ。あ、でもそれだけじゃなくて見た目よりずっと逞しくて…ふふ、これ以上は内緒よ♪』
…もう…ダメ…。