Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

成長していくにしたがってお互いの世界が少しずつ広がっても、そこだけは変わらなくて…。

きっとしっかり者の悠里としては、姉として心許無い私が心配でいつまでも離れられないんだと思うの。

私は悠里が世話を焼いてくれるのが居心地がよくてずっと甘えてきた。

だけどそれじゃ駄目なんだ。

お互いに大切なヒトが出来て、その人を一番に考えるようになる。

それが正しくて、間違っても居心地イイからという怠惰な理由で姉弟でいるベキじゃないんだ。


悠里を私のお守役から解放するには―――


「私、自立した女になるっ!!」


私の崇高な宣言に、一同は白んだ視線を向けてきた。

えぇっ、何でみんなそんなヌルイ反応なの!?


「いやぁ~、ミクミクが自立した女って言っても……」

「何でしょうね。どこがというワケじゃないんですがかなり難しい気がします。」

「小娘はね、どこか浮世離れしたボサッと感が小娘なのよ。」


…みんなヒドイ。

人知れず、ガックリ肩を落としている所に携帯の着信を知らせるメロディーが流れた。



「ミクミクじゃねっすか?」

「うん。悠里からだよ。いつもはメールなんだけど…なんかあったかな。」

「え?いつもって?」

「え?毎日のお休みメールだよ。」

「「「…………。」」」



微妙な顔で押し黙った三人に気付かず私は携帯の通話ボタンを押した。

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