Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
『どこにいるの?』
決して怒ってるワケじゃないのにちょっとダケ威圧感を増した声音。
こんな遅くに出歩いちゃダメでしょ?と非難されているのが分かって、胸の奥でモヤモヤと黒い感情が湧きあがる。
悠里だって遊んでるくせに。
麗那さんと内緒で会ってたくせに。
麗那さんと会ってたから、迎えに来てくれなかったくせに。
私が仕事帰りにちょっと同僚と飲んだって悠里に責められる筋合いはないんだからっ!!
「べ、別に悠里には関係ないでしょ。」
『どこにいるの?』
「私だってもう大人なんだからほっといて!」
私自立するんだから!
自立した女は弟に門限をとやかく言われる筋合いはないの。
『どこにいるの?』
「私の世話なんかいいんだから!!悠里だって勝手に好きな人と好きなだけ遊べばいいよっ!!」
冷静に繰り返される『どこにいるの?』という言葉を遮るように私はブチッと電話を切った。
川端君があ~と眉を顰める。
「ヨカッタんスか?一方的に切っちゃって。」
「知らないモン。」
ぷいっとそっぽを向いた私を清雅クンはじっと見詰め、端然と言った。
「なんというか…拗ねてる?ようにしか見えませんが。」
拗ねてる!?
「嫉妬ヨ嫉妬。あ~ヤダ女の嫉妬って醜いわ~。」
し、嫉妬!?
「ち、違うもんっ!!拗ねてないし、嫉妬なんかじゃないんだからーっ!!」
ムキになって否定したモノの三人には軽くあしらわれた。
なによもう。
こうなったら自棄酒してやるんだからね。