Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩


意外と深いと気付かされた弟依存に付いて一人モンモンと考えていると、不意に手をぎゅっと握られて意識を戻す。


「ま、それって考えようだよな。じゃ、俺は柏木にとって弟とは違う…“男”って意識されてるってコトだろう?」


そうですと応えるには、木戸さんの意地悪な笑顔が艶っぽくて。

赤くなった顔で視線をおろおろと彷徨わせると、木戸さんはふっと笑ってご機嫌な顔を前に戻した。

こう言う所が大人だなぁ。

木戸さんは私を追い詰めないで逃がしてくれる。



帰り道、木戸さんと他愛無いけど色々な話しをした。

職場では見た事のナイ子供のような笑顔や拗ねた顔を見る度にきゅんとする。

一方的に好きだと思っていた時よりずっと好きになって行く。


ゆっくり歩いていても終わりは必ずやってくる。

目と鼻の先には私のマンション。

…どうしよう。

本当に送らせるだけになってしまった。

そ、それとも彼女ならここで「お茶でも飲んで行きますか?」って家に誘うのがフツーなの?

で、でも、でもっ、こんな時間に彼氏をお家にご招待って言ったら、なんかメチャクチャガッついてる女っぽくない?

ち、違うのよ!?

私、別にそんな事を期待して誘ってるんじゃなくて~…



「あ~…柏木…」

「え?は、はぃっ!?」

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