Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「いつか俺にも食わせてくれよ。美久自慢のオムライス。」
「は…はいっ!!」
その時は腕によりを掛けて最高のオムライスを作ろう。
「じゃ、そろそろ帰ろっか姉さん。僕本格的にお腹空いてきちゃったよ。」
「え?あ、うん!……じゃ、木戸さん送ってくれて有難う御座いました。」
「ああ。もう遅いしなるべく早く寝ろよ。」
「は、はい!」
木戸さん、優しいっ。
木戸さんのちょっとした気遣いにほわほわしながら、悠里に繋がれた手に先導されるように歩き出す。
「美久」
「へ…………。っ!!」
唐突に呼ばれた名前。
振り返る間もなく、グッと引かれた身体が後ろに傾いで、頬に柔らかい感触がした。
それが離れて木戸さんの顔が視界に映って。
「…ごめん。」
少し照れたような困ったような顔の木戸さん。
そっと撫でられた頬に、ぼわっと顔が熱くなった。
…きき、キス。
今、頬にっ、木戸さんが…っ!
じゃあ、と手を上げて歩き去る木戸さんを見送ったような見送らないような……
「はい。あーん。」
とろとろ金色卵のオムライスの乗ったスプーンを目の前にして、思わずパクリ。
ふわ~……美味しい。
「て、………え!?」