Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
本音はスルリと出たくせに、自覚した途端、心臓がドクドク騒ぎ出す。
悠里に触れる指先がじわりと熱くて、震えてしまいそう。
どきどき、どきどき
逸る胸を押さえ付けて悠里をじっと見詰める。
悠里は悲しげに睫毛を落とし、コツと私の肩に額を乗せた。
「…有難う。でも、美久の好きと僕の好きは違うから…」
…………。
…ぅええっ!?
どうしよう。
私の気持ち、全く伝わってない系?
それとも本当に悠里と私の“好き”は違うの?
「や、そ、そんな事ない、ハズ―――」
焦って説明しようとする程、何だか場当たり的に慰めてるようにしか聞こえなくなって余計に焦る。
小さな溜息がそれを遮った。
「…いいよ。美久が僕の事をそういう対象に見れなくても。だから…」
そう言いながらゆっくりと肩越しから顔を上げた悠里は真っすぐな瞳で私を見詰めた。
透明度の高い琥珀の双眸。
「一番近くに居る事が幸せだって言うなら、僕と結婚して。僕はこの先も美久の嫌がる事は絶対しないって誓う。美久の心が僕になくてもいい。だから…ずっと一緒だって約束を頂戴?」
…伝わらないけど、多分一緒の気持ちだと思う、よ?
私は、そう説明するのも忘れて、その瞳に魅入ってしまったのだった。