Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
どぎまぎしていると入り口から意地の悪い声がした。
「お~や。今日は来たのね、サボり娘。」
「さ、相良店長っ。」
四十代後半。見た目は洒落たオジサマ…言動が多々女性っぽいこの人がこの店舗の店長さん。
「あ~ヤダヤダ。これだから若いだけの女って!!失恋如きで仕事サボ―――」
「きゃわ――――っっ!!!」
とんだNGワードが飛び出してきて私は慌てて店長の口を持っていたバッグで塞いだ。
「ぶほっ!!ちょ、苦しいじゃないっ、小娘!!」
店長こそ、本人もいる前で何ぶっちゃけるつもりなんですかっ。
デリカシー無さ過ぎます!!
涙目でギラギラ睨んだら、さすがの店長にも言い分が伝わったらしい。
けれど悪びれる事もなくふんっと顎を聳やかされた。
そんなやり取りをぽかんと見ていた木戸さんがふいにふっと笑顔を浮かべた。
若干、苦笑気味ではあるけども。
「以前から思っていた事ですがここの店舗は本当に従業員の仲がイイですね。自分が臨時という立場であるのがちょっと寂しく思いますよ。」
それは本当に残念…。
いっそ店長じゃなくて木戸さんがずっと居てくれたら嬉しいのに。
…なんて本心でも口には出せないけども……
「あらぁ~。こんな小娘じゃなくてケンちゃんがいてくれた方がアタシずっと嬉しいのにぃ~。」
…言っちゃったし。
店長のイジワル!!