Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩
「因果だな。誰よりも何よりも大切にしながら、実は誰よりも何よりも残酷な仕打ちを与えているくせに。」
須藤の辛辣な言葉にチリッと胸が痛くなる。
それを誤魔化すように僕は酒を喉に流しいれた。
「そんな事……僕はいつだって美久の幸せしか願ってないよ。」
「どこ口で言うんだか」と須藤は呆れるけども。
僕にとって美久は全てなんだ。
何故なんて今更愚問。
理由も切欠もなく。
強いて言えば“出会ってしまった”から。
美久にはいつだって笑っていて欲しい。
幸せでいて欲しい。
そのために僕は尽力を惜しまない。
―――けれど。
「オマエの姉ちゃんも知ったらさぞや驚くだろうな。一番信頼をおける弟が自分を裏切り傷つけ続けた張本人だなんてな。」
裏切る…そう。確かに僕が美久を傷つけている張本人なんだろう。