Glass slipper☩シンデレラボーイは甘く永遠に腹黒に☩

☩ ☩ ☩


往々にして、僕は可愛くナイお子様だった。

勉強にしろ運動にしろ大概の事は簡単に出来た。

人の機微にも鋭い方だったし、どうすればスムーズに事が運ぶのか考えてウマイ具合に立ち回る事も出来た。

今は亡き父親がとても整った顔立ちだったらしく、それを恙無く受け継いだ僕も周りからもてはやされる程には容姿も優れていた。

天狗にもなる。

僕の小賢しい所は、そこで暴君然と振る舞うでもなく愛らしいプリンスを演じた事だろう。

礼節に勤め常に謙虚に。

その結果大人からはしっかりしたイイ子ちゃん、周囲からは優しく頼れる王子様の定評を得た。

子供らしく振る舞いながら内心では子供っぽい浅はかな同世代も、優等生の仮面にまんまと騙される大人もバカにしていた。

今思えばそれこそ子供っぽい思考だと思うけど…。

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