もう、明日がないなら…
『ゆ、雄哉?! どこから入ったんだ?!』
切羽詰まった声色で叫ぶ、老人の声だ。しかし、その老人の呼びかけに答えるような声はなかった。ただ床にゴム底の靴が擦れる音がかすかに聞こえていただけ。その足音から逃れようとする老人は、転んだようだ。大きな音を立てて床に転んだ時、老人の断末魔とも取れる叫び声が聞こえたのだ。
その後、ボタボタと液体が流れ落ちる音がすると、ボッという火が付いたような音が聞こえてきた。パチパチと燃え盛る火が部屋中に広がった時、音声は途切れたのだ。
「まさか、地下にブラックボックスを置いてるなんて思わなかった。用心深いジジイだ」
「…証拠隠滅する気?」
「まぁ、証拠としては弱いかな。でも君が僕の事を証言したら大変だからね。危険な目は摘んでおかないと…」
雄哉は、ニヤリと白い歯を見せながらボイスレコーダーの消去ボタンを襲うとした、ちょうどその時だった。
玄関の方からバタバタと強く激しい足音が聞こえて来たのだ。
切羽詰まった声色で叫ぶ、老人の声だ。しかし、その老人の呼びかけに答えるような声はなかった。ただ床にゴム底の靴が擦れる音がかすかに聞こえていただけ。その足音から逃れようとする老人は、転んだようだ。大きな音を立てて床に転んだ時、老人の断末魔とも取れる叫び声が聞こえたのだ。
その後、ボタボタと液体が流れ落ちる音がすると、ボッという火が付いたような音が聞こえてきた。パチパチと燃え盛る火が部屋中に広がった時、音声は途切れたのだ。
「まさか、地下にブラックボックスを置いてるなんて思わなかった。用心深いジジイだ」
「…証拠隠滅する気?」
「まぁ、証拠としては弱いかな。でも君が僕の事を証言したら大変だからね。危険な目は摘んでおかないと…」
雄哉は、ニヤリと白い歯を見せながらボイスレコーダーの消去ボタンを襲うとした、ちょうどその時だった。
玄関の方からバタバタと強く激しい足音が聞こえて来たのだ。