もう、明日がないなら…
玄関の正面にある階段で二階に上がると、彼は一番奥の部屋のドアを開けた。
「ここが君の部屋」
中に入ると、白を基調とした清潔感溢れる空間が広がっていた。玄関で感じた圧迫感は微塵にも感じなかった。
「あ、あの…」
突然こんな部屋を充てがわれ、美妃は動揺を隠せなかった。
「なぜ君をうちに連れてきたのか、経緯を話そうか」
彼は美妃を部屋の真ん中にあるテーブルに着かせ、その向かいに座った。
「僕が家の近所を運転していた時に、車道の上に君が倒れていたのを見つけたんだ。ちょうど一週間前のことだよ。救急車であの病院に運ばれた君は、三日間意識が戻らなかった。体の傷は、大したことがないのに、君は目覚めるのを拒否するかのように眠り続けてたんだ」
彼の目は悲しげに視線を落とした。
「警察に調べてもらったら、特に捜索願が出ているような届けもないそうだ。だから、君の身元が解るまで僕の責任で君を預かることにしたのさ」
彼は、美妃の不安げな気持ちを吹き飛ばそうとするかのように笑った。
「ここが君の部屋」
中に入ると、白を基調とした清潔感溢れる空間が広がっていた。玄関で感じた圧迫感は微塵にも感じなかった。
「あ、あの…」
突然こんな部屋を充てがわれ、美妃は動揺を隠せなかった。
「なぜ君をうちに連れてきたのか、経緯を話そうか」
彼は美妃を部屋の真ん中にあるテーブルに着かせ、その向かいに座った。
「僕が家の近所を運転していた時に、車道の上に君が倒れていたのを見つけたんだ。ちょうど一週間前のことだよ。救急車であの病院に運ばれた君は、三日間意識が戻らなかった。体の傷は、大したことがないのに、君は目覚めるのを拒否するかのように眠り続けてたんだ」
彼の目は悲しげに視線を落とした。
「警察に調べてもらったら、特に捜索願が出ているような届けもないそうだ。だから、君の身元が解るまで僕の責任で君を預かることにしたのさ」
彼は、美妃の不安げな気持ちを吹き飛ばそうとするかのように笑った。