もう、明日がないなら…
結局、美妃は一人でディナーの席に着いていた。雄哉は、あれから書斎にこもりっきりで、出てこないのだ。一階のリビングの中にある小部屋が、彼の書斎だった。彼女は声をかけたが、中から返事はなかった。心配だったが、あの部屋にこもった彼には、いっさい干渉してはならなかった。ここに住む時に最初に約束させられたことだった。
大半を残して、美妃は夕食を片付けた。明日の朝、雄哉がすぐに食べられるようにと、タッパーに残り物を詰めて、冷蔵庫にしまった。そして洗い物を済ませた後、キッチンを後にしようとエプロンを外す。その時、背後から視線を感じた。振り返ると、雅臣が何か飲みたそうに口元を触っている。
「あら。何かお飲みになりますか? コーヒー? 紅茶? それともお酒?」
笑顔で美妃がそう言うと、雅臣は笑いながら首を横に振る。
「いえ、弟のお嫁さんを働かせたら、後で何を言われるか。僕のことは気にしないで」
大半を残して、美妃は夕食を片付けた。明日の朝、雄哉がすぐに食べられるようにと、タッパーに残り物を詰めて、冷蔵庫にしまった。そして洗い物を済ませた後、キッチンを後にしようとエプロンを外す。その時、背後から視線を感じた。振り返ると、雅臣が何か飲みたそうに口元を触っている。
「あら。何かお飲みになりますか? コーヒー? 紅茶? それともお酒?」
笑顔で美妃がそう言うと、雅臣は笑いながら首を横に振る。
「いえ、弟のお嫁さんを働かせたら、後で何を言われるか。僕のことは気にしないで」