もう、明日がないなら…
数分後、二人は車に戻ってきた。佳美はごっそりと食料を買い込み、緊張感のかけらもなかった。それに比べ雅臣は、ペットボトルを2本だけ入った袋をぶら下げていた。
それぞれ自分の席に着き、佳美は缶ビールのプルトップを開けて口をつける。雅臣は、アイスレモンティのボトルをドリンクホルダーにさした。そして、後ろに振り返り、もう一本のレモンティ美妃に差し出した。
「…え?」
「それ、好きでしょ?」
雅臣はニコッと笑う。美妃はまたふわりとした古い映像が頭に浮かぶんだ。前にも見た。目の前の彼が、美味しそうにこのボトルを飲む姿を…
佳美の買った唐揚げの油の臭いが車中に充満していたことに、雅臣は文句を言っていたが、二人のやり取りなど、もはや美妃には見えていなかった。
それぞれ自分の席に着き、佳美は缶ビールのプルトップを開けて口をつける。雅臣は、アイスレモンティのボトルをドリンクホルダーにさした。そして、後ろに振り返り、もう一本のレモンティ美妃に差し出した。
「…え?」
「それ、好きでしょ?」
雅臣はニコッと笑う。美妃はまたふわりとした古い映像が頭に浮かぶんだ。前にも見た。目の前の彼が、美味しそうにこのボトルを飲む姿を…
佳美の買った唐揚げの油の臭いが車中に充満していたことに、雅臣は文句を言っていたが、二人のやり取りなど、もはや美妃には見えていなかった。