もう、明日がないなら…
やがて住宅街を抜け、緑が多くなってくる。その優しい緑が目に入って来た時、美妃はまた頭の中で眩しい光が溢れ、その向こうから徐々に現れてくる『記憶』を追いかけていた。今見ている景色と重なった時、美妃は「墓地…」とぽつりとつぶやいた。
雅臣は、ルームミラー越しにそんな美妃をチラリと目で追った。
(もしかして…)
途端に、彼女の表情が険しくなっていく。そんな美妃の変化に、佳美も気付いていた。しかし、何も言わなかった。誰も何も発しない車内は、本当に静かだった。
雅臣は、ルームミラー越しにそんな美妃をチラリと目で追った。
(もしかして…)
途端に、彼女の表情が険しくなっていく。そんな美妃の変化に、佳美も気付いていた。しかし、何も言わなかった。誰も何も発しない車内は、本当に静かだった。