もう、明日がないなら…
 出発してから約二時間ほどで、車は漸く停車した。砂利が敷き詰められた駐車場には、車があまりいなかった。雅臣が最後、ハンドブレーキを引いたのとほぼ同時に、美妃はドアを開けた。

 靴で砂利を踏みしめながら、美妃はふらりと歩き出した。駐車場を出て、アスファルトを歩くその後を佳美と雅臣が間合いをとってついて行く。

 美妃は、何かに吸い寄せられるように、ゆるい傾斜の道を小走りになっていた。

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