もう、明日がないなら…
翌日、美妃は退院した。朝の十一時だった。退院する前に鉄剤入りの注射を受け、サプリメントを処方された彼女は、退院手続きを済ませると、電車に乗るため、駅に向かった。
昨日よりいくらか足取りは軽かったが、気持ちは重かった。家でゆっくりくつろぎながら、雄哉の帰りを待ちたいところであったが、多分そうもいかないだろう、と美妃は思っていた。
鞄から携帯を取り出し、電話帳を開く。美妃は携帯を耳に付けながら、相手が出るのを待っていた。
もちろん、かけている相手は雄哉だった。しかし、彼が電話に出ることはなかった。呼び出し音は鳴らず、すぐに留守電に切り替わったのだ。飛行機に乗っているのだろうか。
美妃は、留守電にメッセージを残し、携帯をしまうとすぐに歩き出す。
しかし歩き出してから直ぐに立ち止まると、周りを警戒した。尾行は職業病だと言った雅臣の一言が気になっていたのだ。
昨日よりいくらか足取りは軽かったが、気持ちは重かった。家でゆっくりくつろぎながら、雄哉の帰りを待ちたいところであったが、多分そうもいかないだろう、と美妃は思っていた。
鞄から携帯を取り出し、電話帳を開く。美妃は携帯を耳に付けながら、相手が出るのを待っていた。
もちろん、かけている相手は雄哉だった。しかし、彼が電話に出ることはなかった。呼び出し音は鳴らず、すぐに留守電に切り替わったのだ。飛行機に乗っているのだろうか。
美妃は、留守電にメッセージを残し、携帯をしまうとすぐに歩き出す。
しかし歩き出してから直ぐに立ち止まると、周りを警戒した。尾行は職業病だと言った雅臣の一言が気になっていたのだ。