もう、明日がないなら…
六 指令
電車を乗り継ぎ、駅のホームに降り立った美妃は、人並みに押されながら地下への階段を降りて行った。時間は、お昼過ぎ。病院の朝食をほとんど手を付けずに出てきてしまったため、さすがに空腹を感じていた。
雅臣がメールで指定した場に行くには、この駅のバスターミナルから出ているバスに乗ることになっていた。しかし、まだ時間に充分余裕がある。美妃は腹ごしらえをしようと、辺りの商業ビルに入っているレストラン街の案内を眺めていた。すると、美妃の携帯が鳴った。確認すると、雅臣からだった。
『東口を出たすぐ左手にあるビルの五階に、絶品のクリームパスタが食べられるお店がありますよ』
眉根を寄せて辺りを見渡すが、彼らしき姿は見えない。
(でも、絶対どっかで見てるはず)
しかしパスタと聞いて、美妃は無性に食べたくなっていた。腹の虫も鳴っている。少し考えようと理性を働かせようとするが、無駄だった。足はすでに、そのパスタ屋に向かって歩き出していた。
雅臣がメールで指定した場に行くには、この駅のバスターミナルから出ているバスに乗ることになっていた。しかし、まだ時間に充分余裕がある。美妃は腹ごしらえをしようと、辺りの商業ビルに入っているレストラン街の案内を眺めていた。すると、美妃の携帯が鳴った。確認すると、雅臣からだった。
『東口を出たすぐ左手にあるビルの五階に、絶品のクリームパスタが食べられるお店がありますよ』
眉根を寄せて辺りを見渡すが、彼らしき姿は見えない。
(でも、絶対どっかで見てるはず)
しかしパスタと聞いて、美妃は無性に食べたくなっていた。腹の虫も鳴っている。少し考えようと理性を働かせようとするが、無駄だった。足はすでに、そのパスタ屋に向かって歩き出していた。