もう、明日がないなら…
「…ありがとうございました。これは彼女が持ち帰ってもよろしいんですよね
?」

 考える美妃の横から雅臣が口を挟むと、晴美は「もちろんよ」と口にしながら美妃にアルバムを差し出した。彼女はその大きくて分厚いアルバムを抱え、晴美の屋敷を後にしたのだった。



 再び車に乗り込み、彼らは車を走らせた。今聞いた話を頭の中で整理するも、なぜ自分が雄哉と写っている写真が存在するのか、美妃にはわからなかった。

「美妃さん。…いや、美沙さん」

 不意に雅臣に呼ばれ、美妃は考えるのをやめ、助手席に座る彼の方に向いた。

「ここからは、内輪の話になりますので僕がお話しましょう」

 雅臣がそう切り出すと、美妃は固唾を呑んでうなずいた。
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