もう、明日がないなら…
「…き、…みき…、美妃…!」

 ぼんやりとまぶたに光が戻って来たことに気付くと、美妃はゆっくりと目を開いた。

「美妃…!」

 安堵した声で彼女の名を呼ぶのは…

「雄哉、さん…?」

 今、自分がどこにいるのかもわからず、スッキリしない頭を払拭するかのように目を細め、美妃は呟いていた。

「そうだよ! びっくりしたよ、突然玄関で倒れてるんだから! でも、無事でよかった…」

 雄哉はそう口にしながら、ベッドに横になっている美妃を抱きしめていた。

 彼女が寝かされていたのは、自分のベッドの上だった。彼女は、クラクラする頭を抑えながらゆっくりと体を起こした。

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