瑠璃一味のお戯れな学園生活
「おれと咲花も見ただっ」

シルヴィが言う。

「おれがドラゴンの姿になってたら、龍之介も本当の姿見せてやるって!兄ちゃんの好きな漫画に出てくる、『かみりゅー』のちっこい奴みたいに、カッコいいだ!」

恐らく『神龍』の事を言っているのだろう。

「まぁそんなにでかくねぇけどな、龍の時の姿はせいぜい六間(約10メートル)ってとこかな」

龍之介が補足した。

とはいっても10メートルの龍だ。

十分に怪物である。

「や、やっぱり、龍だから火ぃ噴いたりすんのか?」

恐る恐る訊ねる霸龍闘。

「ああ、親父は『雄叫び』とか『炎の息吹』とか出来るけど、俺ぁ龍としてはまだガキだからな。『龍鱗』くらいしかねぇよ」

「龍鱗って、私と戦った時の…」

めのうが言う。

特筆すべき能力ではなく、文字通り『龍の鱗』の事。

生まれつき硬質な鱗を持つ龍は、硬気功並みの体表で刃を通さないのだ。

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