瑠璃一味のお戯れな学園生活
「女の子に行かせないでよね、もう」

玄関で靴に履き替えて、傘を片手にめのうは屋敷を出る。

時間は午後8時を回った所。

外はすっかり暗くなっている。

シトシトと、静かに雨が降る。

梅雨の真っ只中だ。

纏わりつくような湿気、息苦しいような蒸し暑さ。

路上には大小の水溜まりが出来、アマガエルの鳴き声が響く。

こんな雨の日にも虫は飛ぶらしく、街灯に無数に群がっていた。

そんな中を、右手に傘、左手に納刀した夜桜を握り締め、めのうは歩く。

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