瑠璃一味のお戯れな学園生活
帰り道。

相変わらず雨は降り続いている。

遠くの方で救急車のサイレンの音。

雨脚が少し強くなってきた。

雨の日は交通事故も多いし、救急車はその関連なのかもしれない。

黙々と歩くめのう。

(もう…兄様かくー君が買いに行ってくれればよかったんだよ…)

今更ながらそんな事を心の中で呟くのは、そう、怖いのだ。

夜道が、夜の暗さが、一人で歩く事が。

めのうは三兄妹の中でも、とりわけ甘えん坊の泣き虫だ。

一人は苦手、怖いのは苦手。

瑠璃や孔雀もその事は知っているが、もうめのうは高校生なんだしと、その辺りの事は考えなくなっているのかもしれない。

が、めのう自身の根底は、幼い頃と変わってはいない。

相変わらずの甘えん坊の泣き虫だ。

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