瑠璃一味のお戯れな学園生活
知らず、早足になっていた。

軽く息が弾むほどに、歩調は速くなっている。

パチャパチャと、足元の水音が激しくなっている。

早く屋敷に帰りたい事のあらわれ。

何だか急に心細くなってきて、めのうは今にも走り出しそうになっていた。

(女の子がこんな時間に一人歩きなんてよくないよ)な」

彼女の心の声と、現実に聞こえた声が被さったのは、まさにその時だった。

ビクッ!と華奢な肩が大きく跳ねる。

一人だと思っていたのに、まさか背後から声をかけられるとは思っていなかった。

咄嗟に振り返る。

同時に抜刀。

と考えて。

(そうか、傘とコンビニ袋…!)

めのうの両手は塞がっている事に気付く。

ならば納刀したままでも打撃をと考えるが。

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