瑠璃一味のお戯れな学園生活
その一瞬の逡巡の間に。

「!!」

めのうは口元を塞がれた。

目の前に立つは、闇。

そう思わずにはいられないほどに漆黒の男だった。

肩口までの黒髪、ノーネクタイのダークのスーツ姿。

全身黒ずくめ。

闇の中なのに、黒すぎるその姿は夜の中でも際立って見える。

「晚上好,夕城的小姐(こんばんは、夕城のお嬢さん)」

男は口端を引く。

その笑みが、あまりにも邪悪で、背筋を凍らせるほどに不気味で。

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