瑠璃一味のお戯れな学園生活
そして次の瞬間、孔雀は動いた。

一歩踏み出す。

右手で四季の柄を握る。

左手で鞘を握る。

抜刀。

鞘走りによって加速する刃。

抜き放たれた刃が、斬る!

閃いた斬撃は、降り注ぐ雨粒の幾つかを両断していた。

天から降り注ぎ、地面に落つる前の降雨を、居合によって瞬斬していた。

特筆すべきは斬撃だけでなく、抜刀に至るまでの全ての体捌きの速さ。

孔雀の身を濡らしていた雨水が、彼自身の動きについて行けず、一瞬その場に残った。

まるで残像のように、孔雀の姿形の飛沫が残っていたのである。

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