瑠璃一味のお戯れな学園生活
式が終わり、拓斗とペインは式場となったホテルの一室に戻ってくる。

「有り難うございます拓斗さん、こんなに盛大な結婚式を催して頂いて…私もう、何て言ったらいいのか…」

感動のあまり涙ぐむペイン。

出席した両親の忠邦とドールも、感涙を禁じ得なかった様子。

「泣かないで、ペインさん」

拓斗が優しくハンカチでペインの涙を拭う。

「ただ…」

拓斗の視線が下がる。

「やっぱり天神学園の皆にも、来てほしかったですね…橘と喜屋武は大きな家ですから、仕方ないのかもしれませんけど…」

「……」

考える事は同じなのか、ペインも少し残念そう。

と。

「あら?」

その彼女が、部屋のソファに座っている五所川原に気付く。

といっても、ご主人様の花音の姿は見当たらない。

代わりに五所川原の服のポケットに入っていたのは。

「切符…?」

拓斗が首を傾げる。

天神駅から天神海岸前駅までの、二人分の往復切符だった。

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