瑠璃一味のお戯れな学園生活

翌朝。

「ふぅ」

桟橋の上に立つのは、学生時代から愛用のうさぎのアップリケ付きの空手着を纏った拓斗。

道着も、もうすっかり使い込んで所々解れている。

そういえば、拓斗が締めているのは黒帯ではなく紅白帯だ。

これは柔道で六段から八段の者が締められる帯であり、これを龍娘流中国拳法でも取り入れている。

拓斗は現在、少なくとも六段以上の実力者という事になる。

「凄いアルな拓斗さん」

トレーニングウェア姿の鬼龍が、背後から声をかけた。

「紅白帯なんて初めて見たアル」

「龍太郎君も持ってるよ。僕より一年ほど前に取得した筈だから」

拓斗がストレッチをしながら言った。