瑠璃一味のお戯れな学園生活
ようやく出口が見えてきた。

暗い床下に差し込む、僅かな明かり。

といっても、既に外は夕暮れ。

更に灯り一つない廃屋の中に差し込む光など、微々たるものでしかない。

「……」

野菊がひょっこり頭を出した場所は、廃屋の一階。

床板が抜けて、大きな穴の開いている場所だった。

…顔半分覗かせて、周囲の様子を確認する。

シルヴィの姿は見当たらない。

シルヴィどころか人間の気配はなく、廃屋内は静寂に包まれている。

「シ…シルヴィち~ん…」

呼びかけたつもりだろうが、野菊の声は蚊の鳴くような大きさだった。

「シルヴィち~ん…フルーツポンチあるよぉ?」

とりあえず食べ物で誘ってみる。

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