瑠璃一味のお戯れな学園生活
「龍之介~」

天神学生寮、龍之介の部屋のドアをノックする。

「んぁ?」

ドアが開き、顔を覗かせたのは龍之介。

「何だ、めのうか」

ぶすっ、とした表情で彼女を見る臥龍。

「何よ、そんな顔しないでよね、折角会いに来てあげたのに」

「…何か用か?」

道着に落書きされた程度でいまだに引き摺るとは、意外と器が小さい龍之介である。

「あのさ、兄様やくー君と一緒に、山に行くんだけどさ。龍之介も来る?」

「山?」

龍之介の眉がピクリと動く。

「へぇ、面白そうじゃねぇか。泊まりがけか?」

「う、うん、そういう事になるんじゃないかな…一日二日じゃ帰らないみたいな口ぶりだったよ、兄様は」

「ほぅほぅ」

顎に手を当て、急に活気づく龍之介。

文明より自然の方が好きな野生児としては、嬉々とせずにはいられない。

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