瑠璃一味のお戯れな学園生活

「ならばこういうのはどうだ？」

瑠璃が持ち出したのは、四人分の釣り竿だった。

リールもついていないような、糸を垂れて浮きが沈むのを待つ、一番原始的なタイプの釣り竿。

餌もそこら辺を穿り返して見つけたミミズだ。

道具ではなく、釣りの腕前のみに左右される。

「魚は人間の気配をよく見る。心乱れた者や、苛立っている者の竿には絶対に近寄らん」

「成程…精神修行って訳だね」

早速孔雀が竿を手に取り、渓流に糸を垂れる。

「何か面白そう、私もやる♪」

孔雀の隣に座って竿を握るめのう。

「渓流に入って魚摑み取りした方が早ぇと思うんだがなぁ」

趣旨を理解していない龍之介。

「ふふ…やってみるとなかなかに難しいぞ」

瑠璃も弟や妹、友人を見ながら竿片手に腰を下ろした。