瑠璃一味のお戯れな学園生活
「そうですよね、お二人は知りませんもんね」

玲音が可愛らしい笑顔を浮かべた。

「お二人のご両親の知り合いなんですよ、拓斗さんの彼女も」

「へぇ~」

感心したように声を上げるシン。

こんな遠く離れた世界にも、シンとリィの両親を知る者は大勢いるのだ。

「で、話が逸れましたが…その女性がこれをお二人にと」

改めてポチ袋をシンとリィに渡す琴音。

「『お年玉』というこちらの風習…分かり易く言うとお小遣いですね」

「お小遣い!」

シンが飛び跳ねそうに喜ぶ。

「でも…私達だけ貰って何だか悪い…」

恐縮するリィだが。

「大丈夫ですよ」

玲音もまた、ポチ袋を出して見せた。

「僕らもちゃんと頂きましたから」

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