瑠璃一味のお戯れな学園生活
「じゃあ棄権するか?」

リングの開始線の向こう側。

向き合った少年が言う。

揺れる弁髪、腰に下げたマテバ6ウニカ。

ガンベルトには、数十発の357マグナム弾が準備されている。

「兄貴も恋い焦がれた相手も、目の前に立つならぶっ倒す。そのくらいの覚悟がなきゃ、天神学園の王座は獲れないぜ?」

「そう…そうだね」

俯くめのう。

躊躇するくらいなら参加しなければいい。

恋する娘でいたいなら降りればいい。

しかし彼女はそうではない。

夕城流の女武者、夕城 めのう。

夕城 こはくと同じ、戦場を舞い、駆け抜ける武士(もののふ)。

「準備はいいな?」

審判の龍娘が、両者の顔を見た。

「それでは、はじめっ!」

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