瑠璃一味のお戯れな学園生活
「う…くぁ…」

二刀を以ってして尚…。

孔雀が初めて経験する、『圧倒的な力量差』。

心の奥底に、驕りがあったのかもしれない。

狂奏丸でシンを殺め、天神学園の掟を破るような事になったらどうしよう、と。

即ちシンを下に見た、ものの考え方。

とんだ思い上がりだった。

何が殺せるものか。

孔雀が二刀を振るって形振り構わず仕掛けた所で、シンは殺せはしない。

そんな軟弱者が、孔雀を導いてくれるものか。

黄金に染まるシン。

そんな彼を眩しく思えた。

外見がそうだからではなく、驕りも、思い上がりも打ち砕いて尚、傍にいてくれる親友として。

「シン…」

孔雀は立ち上がる。

「もう一つ…奥の手があるんだ…受けてくれるかい…?」

< 2,247 / 2,622 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop