瑠璃一味のお戯れな学園生活
「えぇっ?まだあんのっ?」

ギョッとするシン。

「流石孔雀だな…もう全部出し切ったと思ったらこれだもんな…」

やっぱ孔雀は天才だわ、と。

シンは心の底から敬意を表す。

夕城三兄妹きっての天才。

遮二無二努力して強くなろうとするシンを、涼やかな表情で上回る。

そんな孔雀を、シンは本気で羨ましいと思っていた。

ああなりたいと、本気で思っていた。

あんな強さと余裕があったら、リィも、シルヴィも、野菊も。

みんなみんな、自分の手で守れるのにと。

「よしっ、来い!」

シンは構える。

「孔雀の全部、俺に見せてくれ!」

「…うん」

四季も、狂奏丸も。

納刀する孔雀。

腰を低く落とし、二刀の柄を握る。

二刀流ではあるものの、それは居合の構え。

そこから更に、縮地で踏み出し。

「斬雨」

斬鉄の更なる極みを仕込む!

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