瑠璃一味のお戯れな学園生活
崩れ落ちる鬼龍。

逆転と思われた状況からのリィのカウンターに、観客席から悲鳴が上がる。

射撃だけではない。

リィは体術をも習得している。

修行の際には、シンをも翻弄させるほどの使い手。

おいそれと強打を食らわされる事はない。

「う…ぁ…」

体を起こし、何とか立ち上がる鬼龍。

無惨な姿だ。

リィがまたも顔を背ける。

が。

「直視せんか」

そう言ったのは鬼龍の母親、龍娘だった。

「戦いに身を置く以上、こんな光景はついて回る。顔を背けるくらいなら、責任持って気絶なり何なりさせてやれ」

実の母親とは思えない言葉。

しかしそれも、武道家としての忠告。

戦いの場に身を置く者の、覚悟。

「…はい」

トン、と。

軽い音を立てて距離をとるリィ。

構えたヴィオラに、炎の精霊を召喚する。

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