瑠璃一味のお戯れな学園生活
「兄さんの脇腹の銃創は、血が止まってるの?」

孔雀が姉に問い掛ける。

リング上、瑠璃の腹には包帯が巻かれている。

霸龍闘のマテバによって357マグナム弾を撃ち込まれた傷だ。

「弾丸は善師匠が摘出して、しっかり止血してあるけど…控室から兄様の絶叫、聞こえたでしょ?」

相当な荒療治だったらしい。

恐らくは熱した脇差の切っ先に焼酎でも吹きかけて消毒し、その刃で…。

「想像するだけで痛いよっ…」

めのうが顔を顰める。

「澄ました顔して立ってやがるけど、傷は癒えていねぇ筈だ」

腕組みする龍之介。

「旦那は何処で見てんだ?」

「あそこだよ」

龍之介の問いに、孔雀が観客席の奥を指差す。

立見席の見晴らしのいい場所。

龍太郎と翡翠が、並んで立っているのが見えた。

「てめぇんとこの長男の一大決戦だろうがよ…もっと近くで見てやりゃいいだろうに」

龍之介は呆れたように溜息をついた。

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