瑠璃一味のお戯れな学園生活
ギリギリと音を立てるアストレイアと柊。

刃が軋む度、微かに火花が飛び散る。

「いい剣だ…柊の刃に劣らぬ名剣…」

「武器とは思えないな、その刀…綺麗だ…美術品みたいだ」

鎬を削りつつも、互いの愛剣に感嘆の溜息を漏らす。

鍔迫り合いでは埒があかないか。

両者は一旦離れ。

「素鼠(すねず)、銀鼠(ぎんねず)」

仕掛けたのは瑠璃だった。

徐々に深くなっていく剣撃だが、鋭利な柊で繰り出す事によって骨をも断つ威力を持つ。

これをアストレイアで受けるシン。

刀と違って、西洋剣は刃幅が広く、頑丈だ。

連続技にも耐えうる強度を持つ。

が、肝心の使い手のシンは小柄。

体格で言えば瑠璃には劣る。

自然、筋力でも差がつく。

素鼠と銀鼠の連続技に、体が僅かに仰け反る。

そこへ。

「象牙」

強烈な刺突が襲い掛かる!

アストレイアで捌いて軌道を変えるものの。

「…っ!」

受け太刀した手が痺れる。

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