瑠璃一味のお戯れな学園生活
その日。

早川家の一室に兄妹は呼び出された。

対面に座る龍娘。

霸龍闘と鬼龍は並んで座り、口を真一文字に結ぶ。

「昨日のタイマントーナメント、ご苦労だった」

開口一番、龍娘が言う。

「結果は霸龍闘、鬼龍ともに準決勝敗退」

「……」

俯く霸龍闘と鬼龍。

流派の威信をかけた戦いで、二人揃って敗退。

この体たらくを、どう説明すればいいのか。

老師の叱責覚悟で、口を開こうとしたその時。

「だが、よく頑張ったなぁ、お前達…」

龍娘は両手で、二人の子供達をギュッと抱き締めた。

「マテバを投げ捨てて瑠璃に挑んだ霸龍闘も、捨て身の頭突きまで繰り出した鬼龍も…私は見ていて鼻が高かったぞ…見ろ、これが完璧超人の子供だとな」

「老師…」

呟く鬼龍に。

「何だ水臭いな鬼龍、『母上』と呼ばんか」

微笑みながら頬擦りする龍娘。

「霸龍闘も、疲れているだろう?今日は家族全員で、甘いものでも食べに行くか?何が食べたい、ん?」

「……」

目を丸くする霸龍闘。

チラリと隣を見ると。

「あ!鬼龍泣いてる!」

「な、泣いてないアル!」

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