瑠璃一味のお戯れな学園生活
場面はまた事務所に戻る。

「お止しなさいな」

書類をトントンと纏め、ホッチキスで留めながら、琴子は告げる。

「何でです?何で夕城の人達は、みんな僕が入門するのを断るんですか?」

久遠はムキになる。

当然だろう。

明確な入門不可の理由が説明されないのだ。

怒りたくもなる。

「理由その一」

琴子は書類にペンを走らせながら言う。

「剣道と剣術は違いますの。真剣も抜いた事のない貴方が、夕城流入門は百年早いですの」

「そ、それはわかってます!でも努力して追いつ…」

「理由その二」

久遠が言い終わらないうちに、琴子は告げる。

「私は正確には夕城流の人間じゃありませんの。夕城流の部外者が、許可は出せませんの。私は他流の人間ですの」

「他流?他流って、夕城流以外にも別の流派があ…」

「理由その三」

有無を言わさず、琴子は久遠の顔を見た。

「狂奏丸に憧れた…それが一番タチが悪いですの」

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