瑠璃一味のお戯れな学園生活
「ぐぅっ!」

首を絞められ、もがく琴子。

「哦,实在滑稽(いや、まことに滑稽)」

左手を撥ねられた為、黒爪は右手で自分の太股を叩いて拍手する。

「茶番を見せてもらったよ。闇に生きた琴月の娘が、本当は殺しなどしたくなかった心の内を悟られ、涙する…実に感動的なエピソード…だがね」

黒爪の口端が、つり上がる。

「今更善人ヅラするのも如何なものかね、人殺しの日陰者」

「何だとっ!」

琴子の手から酷奏丸を奪い取り、久遠が構える。

「お、お止し…なさ…っ!」

いまだ首を絞められている。

琴子は苦悶の表情を浮かべながら久遠を制しようとする。

「琴子さんに酷い事を言うな!」

「おや?知らないのかね?坊や」

黒爪は愉快そうに笑う。

「その女は琴月という暗殺稼業を生業とした流派でね」

言うな。

「裏の世界で生きてきた剣客なのだよ」

言うな。

「勿論流派全体がそういう性質なのでね」

言うな!

「その女が斬殺の末惨殺した人間も、一人や二人じゃない」

久遠の前でそんな事言わないで!

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