瑠璃一味のお戯れな学園生活
孔雀や瑠璃一味に限らず、男の子というのはこういう戦いの世界というのが好きなもので。

その夜、久遠は興奮気味に奏多の部屋に訪れた。

こっちは怪我をした孔雀の事がもう心配で心配で気が気じゃなくて、ずっと付きっ切りで看病したかったのに、孔雀にもその母親のこはくにも『若い娘さんが遅くまで帰らないのはよくない、こっちは心配要らないから』と帰宅させられて。

帰ってみればハイテンションの弟の相手だ。

『ざんてつ』がどうの『ざんう』がどうの、『奥義』がどうの『競争丸(誤字)』がどうの。

熱く語る久遠だが、奏多はこれっぽっちも興味がない。

孔雀の怪我の具合が心配だし、何より試合自体見ていないのだから。

いつまでも喋り続ける弟に愛想を尽かし、終いには朝まで語り尽くしそうな久遠を強引に部屋から追い出し、その日は終わった。

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